知的な香り

フランスの科学者、調合師のエルネスト・ボーにより生み出された「Chanel N°5」。

バラやジャスミンが贅沢に使われ、なかでも有機化合物のアルデヒドは、香りの効能抑制剤の役割を「薬味」のように果たしています。ボーが使ったものは、清らかで爽快感があり、心を包み込むような冬の香りであったと云われています。

香水の香りは伝統的に二つに分類され、一つは植物系優しいアロマの花の香り、もう一つは動物系ムスクやジャスミンを使った野生的なものです。シャネルは現代女性が求めている香り、いわゆるこの二つの融合です。芯の強さや深み、それでいてほんのりした甘さで優しい女性らしさを、このN°5は表現しています。

科学者によって生み出されたということから、調合のバランスが醸し出す、知的な香りとなっています。